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三石理論とは

THEORY

分子栄養学の研究者である三石巌が唱えた理論。
三石は、分子細胞レベルで、それぞれの栄養素がどのように働き、健康な日々を送ることができるかを理論づけました。
ヒトにとって必要最低限の基本栄養素である良質なタンパク質、メガビタミン、そして活性酸素を除去するスカベンジャーを摂取することの重要性を訴えました。

三石理論を実践する3つの柱

健康レベルを高く保つ三石理論、高タンパク、メガビタミン、活性酸素の除去

そのほかにも必要な条件はもちろん沢山ありますが、中でも三石理論はこの3つを健康維持の基本として挙げています。私たちの身体の設計図であるDNAは、タンパク質のアミノ酸配列を暗号化したものであり、そこには両親から受け継いだタンパク質のつくり方が記されています。タンパク質は、細胞をつくりかえるのに使われ、内臓・骨・筋肉・皮膚・毛髪・脳・血管などの材料になっています。そのため、身体の機能が正常に働くためには「良質タンパク」の摂取が必要不可欠です。「良質タンパク」とは、身体に必要なアミノ酸の種類と量によって決まり、体重に見合った量を毎日摂ることが重要です。

また、タンパク質を使って細胞を毎日つくりかえるのに必要なビタミンの量には個人差があり、十分なビタミンを身体に行き届かせなくてはいけません。そのために不足のないように大量のビタミンを摂ることを、三石理論では「メガビタミン」と呼んでいます。

そして最後に活性酸素について。活性酸素は、ウイルスや細菌を撃退しますが必要以上に増えると細胞に傷害を与えます。ストレス・炎症・X線・紫外線・投薬だけではなく、実は日常的に呼吸することでも発生します。この活性酸素は、老化や生活習慣病・ガンなどさまざまな病気の原因となるものです。では、これを除去するにはどうすればいいのでしょうか。そのために必要なのは活性酸素除去酵素と呼ばれるものです。しかしこれは加齢によって、体内での合成量が少なくなるため、活性酸素を除去するために役立つ栄養素の摂取も年齢を重ねるとともに必要になります。

三石理論では、良質タンパクを効率的に働かせるためには、大量のビタミンを摂取する「メガビタミン」が重要であり、活性酸素を除去することが健康維持につながると考えています。

三石巌について

分子栄養学の提唱者である三石巌(みついし いわお)は、1901年に東京に生まれました。

1919年、東京帝国大学(現 東京大学)理学部物理学科に入学、1927年に同工学部大学院修了後、慶応義塾大学や津田塾大学で教鞭をとります。

そして還暦を機に医学にも造詣を深め、1962年頃メガビタミン主義の根拠としてのカスケード理論、1976年にはメガビタミン主義の理論的基盤となるパーフェクトコーディング理論の構想を打ち立てました。

こうして創設された「三石理論」は、これまで多くの学者に支持されるところとなり、現在に至っても色褪せることを知りません。

それは何より、三石の説いた理論が時代を先取りするものであり、時代が進むにつれてその正しさが証明されてきたからです。