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コラム

COLUMN

 

やさしい分子栄養学・やさしい三石理論 No.3

私の哲学

栄養補完食品とは

三石巌はメグビー製品を巷で言う健康補助食品と言わず「栄養補完食品」と名付けました。

普段のお食事にメグビー製品を加えることで、ヒトにとって必要な栄養を不足なく摂ることができ、健康のレベルアップが可能になると考えたからです。そして、病気になる確率を下げるためのお手伝いをするのが、メグビーだという信念を持っていました。

父が子供の頃に、ランプの薄暗い生活から明るい電気の生活に変わりました。それは、エジソンの発明だと父親から聞き、発明家を夢みるようになりました。

中学生の頃に構想を練った細かい図が「發明發見録」と題したノートに残っています。私の子供の頃には、たくさんの特許を取得していますが、何よりも「三石理論」を遺してくれたことを感謝しています。

父の存命中は年に2回、三石理論を学ぶ宿泊研修があり、毎回「私の哲学」と題した講義がありました。

父が伝えたかったことは「タンパク質の働きは何か? ビタミンの働きは何か?」ということだけではありません。「生命とは何か?人間とは何か?健康とは何か?そして、生きることの意味は何か?限りある生命をどのように生きるか?」ということを考えて欲しいと願っていたと思います。

三石理論は「パーフェクト・コーディング理論」「カスケード理論」とその二つの理論を実践するための「ビタミン・ミネラルの位置づけ」から成り立っています。

パーフェクト・コーディング理論とは

子供は顔も体質も親に似ていますが、そのメカニズムはジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって解かれました。

受精卵が分裂して増加していきますが、そのすべての細胞にDNAはコピーされ、子は両親からDNAを半分ずつ受け継いだことになります。

細胞はDNAをもとにさまざまなタンパク質をつくります。クリックの提唱した「生命の中心原理」は、DNAからタンパク質がつくられ、その逆はないことを示しています。

DNAは縄ばしごがよじれたような二重らせん構造で、縄ばしごの段々は、A(アデニン)、G(グアニン)、T(チミン)、C(シトシン)の4種類の塩基でできています。全てのアミノ酸は塩基3個の遺伝情報が暗号文になっています。暗号文をコード、コードをもとにタンパク質をつくることをコーディングといいます。

三石理論では、酵素タンパクから代謝産物がパーフェクト(完璧)につくられるまでを言います。代謝産物とは酵素の働きによって作られる物質です。

コーディングが完璧に行われれば、健康レベルを高く保つ事ができると考えたのが「パーフェクト・コーディング理論」です。

コーディングの第一段階は、DNA上の暗号をメッセンジャーRNAに転写するまでが細胞の核の中での出来事で、暗号はどういうタンパク質をどのくらい作るかを決めているに過ぎません。

第二段階では暗号は核の膜の孔から出て、リボゾームへと運ばれます。暗号文通りにアミノ酸を集めてくる係がトランスファーRNA、そのアミノ酸をつなぐ役目がリボゾームです。

代謝という生体内での化学反応には、酵素が不可欠であり、酵素はタンパク質からできています。体温が36度前後であることも、血液が弱アルカリ性であることも、酵素反応を起こすための条件なのです。

酵素食品を飲んでいれば大丈夫でしょうか?でも、ちょっと違うかもしれないと思われませんか?

生体は酵素反応で成り立っています。酵素反応とはタンパク質からできている主酵素とビタミン・ミネラルなどの協同因子が結合して起こります。

私たちが求めているのは、酵素の働きによって作られる物質(代謝産物)なのです。三石巌が良質タンパク・ビタミンC・ビタミンB群を「ヒトフード」と名付けたのはなぜかをもう一度考え、健康レベルをあげる努力をしていただきたいと思います。

現代社会では日常的に感じているストレスを例にとってみたいと思います。ストレスがあると、多かれ少なかれ健康レベルは低下します。

ストレスに対抗するために副腎皮質ホルモンを作りますが、その合成に必要な酵素を作るのがヒトフードです。

心配事がストレッサーとなってストレス状態になり、体調が悪くなることを経験された方は多いと思います。この時に副腎皮質ホルモンを作ることができないと、ストレスに対処できず、健康レベルは低下します。

ストレスに負けないためには副腎皮質ホルモンの材料「コレステロール」に働く酵素を作らなければなりません。そのためには、DNAに記憶されている副腎皮質ホルモンを作る設計図の部分を開裂し、そのコピーとなるRNAができたら翻訳し、酵素が作られます。

酵素が働いて、基質コレステロールをヒドロキシ・コレステロールに変化させますが、重要なのは、その酵素は「ニコチン酸(ビタミンB群)」の協同作業なしではヒドロキシ・コレステロールにはならないのです。

このことからも、高タンパク・メガビタミンの必要性がお分かりいただけると思います。

DNAの二重らせん構造

確率的親和力とは

三石理論では、酵素が活性を表すためにそれと結合すべき因子を協同因子と定義しています。

酵素と協同因子との結合の確率は、個体差によって違うと説明したのが「確率的親和力」です。

父は還暦の年に白内障で数年で失明すると診断されました。白内障はビタミンCの不足によると知っていた父は、夫婦で同じ食事をしているのに、自分だけがなぜ?という疑問を持ちました。

そして、白内障に関わる酵素があって、自分はビタミンCを受け入れることが困難なのではないか、という考えにたどり着きました。

酵素の立体形を見ると、多くのヒトがビタミンCの立体形と合った形のポケットがあるのに、私の場合はポケットの形が少し違うのではないかと思ったのである。

酵素のポケットが絶えずゆらいでいるならば、ブラウン運動をしているビタミンCがぴったりと合う瞬間に入り込めるのではないかというのが、私の発明家的な発想である。

実際にそんな現象があるかどうかはわからないが、私の発明家魂がこういう方向をとったのである。

酵素とビタミンの関係をこのように考えると、結合の確率が極めて小さいことになる。せっかくビタミンCがポケットにぶつかっても、なかなかうまくいかないのが私の場合なのだ。

酵素というタンパク質は化学反応の担い手で、その対象となる物質を基質という。基質を受け入れるポケットは、酵素のポケットに協同因子が入り込むまでは形成されないのである。ビタミン分子が酵素のお目当てのポケットの形が不適合だったら、再び水分子に弾き飛ばされ迷子にならざるをえない。

三石巌著
「からだの中から健康になる長寿の秘密」より要約

確率的親和力の図

上の図は酵素の鍵穴に協同因子であるビタミンと基質であるコレステロールが一致するかどうかをあらわしたものです。

鍵が鍵穴に一致した瞬間に代謝が起こり、コレステロールは代謝産物であるヒドロキシ・コレステロールになり副腎皮質ホルモンまで代謝が進み、ストレスに対抗することができます。

酵素は熱運動による〝ゆらぎ〞によって、貧乏ゆすりのように常に動いています。分子量の小さな協同因子が新幹線と同じくらいのスピードで動く水分子に弾き飛ばされて動いていることを想像すると、ワクワクしませんか?

それをブラウン運動といい、動きながら主酵素に入り込める確率は低いと考えられます。

そこで、〝ゆらぎ〞を考慮に入れれば、確率は上がるのではないかと考えたのが、三石理論のひとつ「確率的親和力」です。ゆらぎながら鍵は鍵穴にピタリと合う瞬間があり、それは酵素が受け持つ代謝がスムーズに行われた瞬間の出来事なのです。

鍵と鍵穴が合う確率の違いが個体差であり、あなたの体質の弱点になります。

結合の確率を高めるためには、協同因子の濃度を高めにしなければなりません。この現象をご理解いただければ、父が声を大にして訴えていた、高タンパクやメガビタミンの必要性が、ご理解いただけるのではないでしょうか。

三石巌の発明発見録

一般社団法人 三石理論研究所 所長 笹木 多恵子