COLUMN
食べ物がたりない毎日を送っていたら、ひもじくてひもじくて、たまったものではありません。四六時中、食べ物のことばかり考えて、いわゆる餓鬼になってしまうことでしょう。そういう極端な場合を想像してみれば、食べ物が健康の基本であることに、疑問の余地はありません。
考えてみれば、私たちのからだは物質でできています。そして、毎日、大小便、汗を出しています。それは、からだの中に化学変化がおきていて、からだが少しずつ壊れているためです。そうだとすれば、物質の補給は至上命令でなければなりません。それはつまり、食べ物を食べるということであり、栄養をとるということであるのです。
私たちのからだには、脳・目・耳・胃・腸・肝臓・心臓・肺など、たくさんの器官があります。それらはそれぞれに別の仕事を担当しています。そのために、要求する物質、つまり栄養物質がちがいます。それらの要求を100パーセントみたす食べ物を食べなければ、最高のからだの状態が得られないわけですから、食べ物はまさに健康の基本です。偏食がいけないといわれるのも、食欲不振が心配の種になったりするのも、当然ではないでしょうか。
丈夫な腰とは、どんな腰のことでしょうか。
まずそれは、ぎっくり腰のような、いやらしい不意打ちの事故になる恐れのない腰である、としておきましょう。
ぎっくり腰でも何でも、腰の故障というものは、結局は、背骨の故障です。魚の骨を見てわかるとおり、背骨というものは、たくさんの椎骨のつながったものです。ではそれが、何でつながっているかといえば、筋肉です。骨をつなぐその筋肉がちゃんとしていれば、一つ一つの椎骨は正しい位置が保てるでしょう。
また、椎骨と椎骨との間には、椎間板という名の軟骨が、クッションのような形ではさまっています。この椎間板がしっかりしていることも、丈夫な腰のための条件でしょう。
そこで、丈夫な腰のために問題になるのは、筋肉と軟骨との二点だとわかりました。筋肉を丈夫にするための栄養素は、タンパク質とビタミンEです。軟骨を丈夫にするための栄養素は、タンパク質、ビタミンC、ビタミンAの三つです。つまり、丈夫な腰のためには、高タンパク食プラスビタミンE・C・Aとなります。
肝臓を悪くする原因は、飲酒でなければウイルス感染が普通でしょう。しかし、酒を飲むとき、タンパク質を肴にすれば、肝臓はなかなかやられません。アルコールにタンパク質がなぜよいかというと、タンパク質に含まれるトリプトファンというアミノ酸が、ニコチン酸というビタミンに変身してくれるからです。
アルコールを飲むと、まずそれがアセトアルデヒドに変わります。それは毒物で、悪酔いのもとになります。ところが、ニコチン酸があると、アセトアルデヒドをすぐにアセチルに変えてしまいます。肴にタンパク質をとれば悪酔いをしない理由は、ここにあるのです。それはまた、肝臓をいためないための条件でもあります。
肝臓病としてしつこいB型肝炎はウイルスでおこります。これはインターフェロンがあれば防げるので、高タンパク食とビタミンCとがあれば、B型肝炎を予防することができるはずです。
肝臓病の患者には、アミノ酸とビタミンB2とをまぜた輸液を点滴します。高タンパク食とビタミンB2とが、肝臓を守ります。
三石巌著『知らないと損する健康100の知恵』P52~57より