文字サイズ
コラム-よくあるお悩みと一般的な対処法-
COLUMN
Vol.5

高血圧の自覚症状とは?危険な合併症や生活習慣の改善ポイントも解説

日本人は高血圧の人が多く、「高血圧だから塩分を控えないといけない」という会話をよく聞きますが、病院で高血圧と言われたのに自覚症状がない、何に気をつけたらいいのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

高血圧は自覚症状を感じにくく、高血圧の人が何も対策を取らずに生活を続けていると、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。高血圧を改善するためにも、まずは生活習慣の見直しを行うことが重要です。

この記事では、高血圧によって起こる合併症や血圧を下げるために見直したい生活習慣について紹介します。高血圧のリスクを理解し、いつまでも健康でいられるように生活習慣を見直してみましょう。

 

高血圧の自覚症状

高血圧とは最高血圧が140以上、最低血圧が90以上のことを指しますが、一時的に基準数値以上が出たからといって高血圧と診断されることはありません。繰り返し計っても基準値以上の血圧が続く場合に高血圧と判断されます。

また、高血圧と診断されても痛みなどの自覚症状が何も現れないという人も少なくありません。ただし、血圧がかなり高くなると下記のような症状を訴える人がいます。

  • 肩こり
  • のぼせ
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 足のむくみ・だるさ

上記のような症状は、高血圧特有の症状ではありません。特に肩こりや頭痛などは日常的に引き起こしやすい症状であるため、上記の症状が出たからと言って、すぐに高血圧だと考えることは難しいでしょう。もし自覚症状や体調に不安を感じることがある場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。

出典:日本臨床内科医会「わかりやすい病気のはなしシリーズ9-高血圧」

出典:山陰労災病院「高血圧について」

出典:科学技術振興機構「高血圧通院者が抱える自覚症状の実態調査:平成22年国民生活基礎調査匿名データ」

三石流・健康常識クイズ

 

高血圧による合併症

高血圧の状態が長く続くとさまざまな合併症を引き起こすと言われています。高血圧になると、動脈と呼ばれる酸素を多く含んだ血液が通る血管に負担をかけてしまうためです。

ここでは、高血圧が要因で起きてしまう合併症について、いくつか紹介します。

三石流・健康常識クイズ

 

血管への影響:動脈硬化

動脈は本来強く弾力性に富んでいます。しかし、コレステロールなどの血液の脂質が動脈にたまったり高血圧の影響で血管に負担がかかったりすることで、弾力性を失い、固くもろくなります。血管が張り詰め、厚く硬く変化した状態を「動脈硬化」と呼びます。

人間の体内でなぜ動脈硬化が起こるのかは、まだはっきり特定されていません。しかし、動脈硬化は10代から始まり、40歳をすぎたあたりに症状が現れることが分かっています。

動脈硬化が進行すると、血管が詰まり心筋梗塞や脳梗塞になる可能性もあるため、少しでも不安がある人は、早めに医療機関を受診しましょう。

出典:国立循環器病研究センター「動脈硬化|病気について」

 

脳への影響:脳卒中

高血圧を放置していると動脈硬化が進み、脳の血管が詰まります。さらに程度が強くなると、脳の血管が破れて「脳出血」になったり、血管の一部分に動脈瘤(りゅう)ができ、動脈瘤が破裂することで「くも膜下出血」になったりします。脳卒中やくも膜下出血などの、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が障害される病気のことを脳卒中と言います。

脳卒中の症状は、突然現れることが多く、頭痛やめまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。よくある症状は、片方の手足が動かなくなる、顔の半分が動かなくなる、うまく言葉を発することができなくなるなどです。これらの症状が現れたら、様子を見ていてはなりません。

近年は、血栓を溶かす治療薬が普及していますが、症状が出てから4時間半以内にしか使うことができないため、腕や顔、言葉に異常があれば、すぐに診察を受けるようにしてください。

出典:国立循環器病研究センター「脳卒中|病気について」

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「脳血管障害・脳卒中」

 

心臓への影響:心筋梗塞

高血圧が続くと心臓の血管の動脈硬化が進み、心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなります。

「心筋梗塞」とは、動脈硬化によって心臓の血管に血液の固まりができることで血管が詰まって血液が流れなくなり、心筋の細胞が壊死してしまう病気です。激しい胸の痛みなどの発作が起こり、呼吸困難や脈の乱れ、吐き気、冷や汗、顔面蒼白といった症状を伴います。心臓の血管が一瞬で詰まると最悪の場合、突然死することもあります。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)」

 

腎臓への影響:腎不全

高血圧になると、血液を濾過する腎臓の機能が低下します。

「腎不全」とは、血液を濾過する糸球体の網の目が詰まり、老廃物を十分に排泄できなくなる病気です。腎臓の働きが正常時より30パーセント以下に低下していると腎不全と診断されます。一度慢性腎不全になると、腎機能を回復させることは難しいと言われています。

腎不全が進行すると、身体の余分な水分や塩分、老廃物などが排泄されずに体内にたまります。体内に過剰な老廃物や毒素が残り症状が悪化すると、心不全や尿毒症などのさまざまな病態が現れます。尿毒症の症状は、倦怠感や不眠、頭痛、思考力の低下などで、生命に危険をおよぼすこともあります。

出典:国立循環器病研究センター「腎不全|病気について」

 

高血圧の不安がある場合に見直したい生活習慣のポイント

高血圧が心配な人は生活習慣を見直すことから始めましょう。ここでは、見直したい生活習慣のポイントを紹介します。

生活習慣の改善ポイント 具体的に取り組むべきこと
塩分を控える
  • 1日6g以下を目標にして塩分を摂りすぎないようにする
  • 外食は塩分が多いため、できるだけ自宅で作る
バランスの取れた食事を取る
  • 栄養の基礎知識を把握し、栄養バランスが取れるように工夫する
  • 野菜や果物、青魚は塩分を身体から外に出すカリウムを多く含むので積極的に摂取する
運動習慣をつける
  • 医師が許可する範囲内で、運動習慣をつける
  • 散歩やラジオ体操など軽い運動から始める
禁煙を行う
  • 血管をボロボロにしてしまうため、喫煙をやめる
  • 受動喫煙にも気をつける
ストレスを溜めない
  • 規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとる
  • 働きすぎや夜更かしを控える

減塩しないといけない理由は、過剰に塩分を摂取してしまうと、血液などの体液の濃度を一定に保とうと体内水分が蓄積され、血流量が増加してしまうためです。カリウムを含む野菜や果物は日々の食事に取り入れたほうがよいですが、果物には糖分も多く含まれているため、食べすぎないように気をつけましょう。

有酸素運動などを習慣化すると血圧を下げる効果が期待できるだけでなく、肥満の予防にも効果的です。肥満は高血圧の原因になりうると言われているため、健康診断などで肥満度(BMI)の値が高かった場合は、運動や食生活を改善して減量に取り組みましょう。また、たばこは百害あって一利なしと言われています。周囲への配慮も考えて禁煙をすることをおすすめします。

仕事や家事、育児など毎日の生活の中でストレスや過労はつきものですが、なるべく取り除くようにしてください。忙しくても睡眠時間だけはしっかり確保し、疲れを翌日に繰り越さないようにしましょう。映画を見たり、散歩をしたり、自分なりのリラックス方法が見つかるとストレス発散できるかもしれません。

他にも過度な飲酒、寒い季節の入浴時の急激な温度差に気をつける、など少しずつ生活習慣の意識を変えるとよいでしょう。

出典:スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省)「血圧」

出典:国立循環器病研究センター「高血圧|病気について」

三石流・健康常識クイズ

 

まとめ

高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、中には頭痛や肩こりなどの症状を訴える人もいます。高血圧の状態が続くと、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞、腎不全などさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。最悪の場合、合併症によって死に至る危険性もあります。

病気のリスクを少しでも回避するために、生活習慣を見直すことが大切です。塩分を控えた食事や運動習慣など、日常生活を改めてみましょう。

今回の内容は、あくまで一般的に言われている内容をお伝えしました。何か不安に思うことがある場合は、病院に受診し医師の指示を仰ぐようにしてください。