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コラム-よくあるお悩みと一般的な対処法-
COLUMN
Vol.17

代謝を上げるために試したい方法6つ|メリットや代謝の種類も

代謝は、体型・健康維持を考える際に外せない要因です。「食事の量は昔と変わらないのに太りやすくなった」「疲れがとれない」「風邪を引きやすくなった」などの症状に心当たりがある人は、代謝が落ちている可能性があります。代謝を維持・向上させるためには、日頃から代謝を上げる生活習慣を意識することが大切です。

当記事では、代謝の概要と種類、基礎代謝を上げるメリットを解説します。基礎代謝を上げるために試したい方法も6つ紹介するため、健康的な生活を送るヒントとしてぜひ参考にしてください。

 

そもそも代謝とは?

代謝とは、身体の中で起こる物質変化の総称で、生命維持活動に必要なエネルギーの獲得や身体の成長に必要な物質を合成するための、生化学反応全般を指します。体内にある酵素の働きによって、外界からとり入れられた栄養物質は、分解や合成などの過程を経た後に体内へと吸収されます。吸収された物質は、脳や身体を動かすためのエネルギーや身体づくりの材料となります。

代謝を「物質が化学変化する」といった観点から考える場合は、「物質代謝」と呼び、「異化」と「同化」の2つの過程があります。下記は、異化と同化の概要です。

異化 身体の中で物質を分解し、生命活動に必要なエネルギーを得る反応
同化 身体の中で物質同士を合成し、生命活動に必要なエネルギーを蓄える反応

一方で、代謝を「エネルギーの生成や消費」といった観点から考える場合は、「エネルギー代謝」と呼びます。一般的に身体の代謝と言った場合、このエネルギー代謝を指すケースがほとんどです。

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代謝の3つの種類

代謝には、「活動代謝」「食事誘発性熱産生」「基礎代謝」の3種類があり、人間が1日に消費するエネルギー総量の約60%を基礎代謝量が占めます。続いて活動代謝(身体活動量)が約30%、食事誘発性熱産生が約10%となるケースが標準的です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「体活動とエネルギー代謝」

3つの代謝の概要は、下記の通りとなります。

●活動代謝

仕事や家事、運動など、身体を動かす際のエネルギー消費のことです。活動量が増えれば消費されるエネルギー量も増えます。

●食事誘発性熱産生(しょくじゆうはつせいねつさんせい)

食べものに含まれる栄養素を分解する際のエネルギー消費のことです。摂取カロリーのうちタンパク質は約30%、糖質は約6%、脂質は約4%が、食事誘発性熱産生で消費されると言われます。バランスよく食事をした場合のエネルギー代謝量は、約10%が目安です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生 / DIT」

●基礎代謝

心臓や肺を動かしたり体温を保ったりといった、最低限の生命維持活動に必要なエネルギー消費のことです。基礎代謝のうち、筋肉による体温維持の消費エネルギー量がもっとも多く、全体の約22%を占めます。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」

 

基礎代謝を上げるメリット

人間の身体は、安静にしている状態でも心臓や肺といった内臓が働き、筋肉が体温を維持することでエネルギーが消費され続けています。生きる上で意識せずとも起こるエネルギー消費が基礎代謝であり、基礎代謝量の値が高ければ運動をしていないときでも自動的に多くのカロリーを消費することが可能です。

つまり、基礎代謝が高い人は、痩せやすく太りにくい傾向にあり、反対に基礎代謝が低い人は痩せにくく太りやすい傾向にあると言えます。脂肪燃焼の基本は、「摂取カロリー < 消費カロリー」であるため、基礎代謝量アップはダイエットの効率を上げる有効な手段と言えるでしょう。

また基礎代謝量を上げることで、ダイエット以外にも下記のようなメリットがあると言われています。

  • ターンオーバーが活発になる
  • 老廃物の排出が促される
  • 血行不良の改善につながる
  • 免疫力の向上が期待できる
  • 身体のコリや痛み、冷えが緩和される
  • 自律神経が整いやすくなる
  • 肌のトラブルが起こりにくくなる
  • 肌や髪の若々しさを保ちやすくなる
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基礎代謝を上げるために試したい方法6つ

一般的に、基礎代謝量は加齢に伴って低下します。主な原因として、筋肉量の低下が挙げられるでしょう。意識的なトレーニングを行わない限り、筋肉量は自然と減少しますが、年齢を重ねるとともに筋肉はつきにくくなる上、落ちやすくなる傾向にあります。

また筋肉量の低下以外にも、日常生活での活動量が減少傾向にあることや、臓器などによる代謝量低下も原因の1つとして考えられています。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」

基礎代謝量は日々の活動量や体格などによる個人差が出やすいものの、年齢や性別によって大まかな目安をつけることは可能です。厚生労働省では、平均的な「日本人の年代別基礎代謝基準値」を公表しているため、詳しく知りたい人は参考にしてください。

何もしなければ基礎代謝量は加齢とともに下がります。しかし逆に言えば、自分自身で努力をすれば、ある程度は基礎代謝量を上げられるということに他なりません。

ここでは、基礎代謝量を上げるために試したい6つの方法を解説します。

 

【重要】筋肉量の増加に励む

基礎代謝のうち、全体の約22%を占めるのが筋肉によるエネルギー消費です。残りの約78%は、意識的に代謝をコントロールするのが難しい、肝臓や脳など内臓による消費となります。

上記のことから、基礎代謝量の向上を試みる場合、筋肉量のアップがもっとも有効と言えるでしょう。また、筋肉を増やすことで基礎代謝に加え、運動などによる活動代謝の向上も期待できるというメリットもあります。

【筋肉量増加のポイント】

  • 身体能力に応じた負荷強度の筋トレを行う
  • 下半身を中心に、大きな筋肉から鍛える
  • 日常生活における動作レベルを上げる
  • 無理のない範囲で継続する
  • 筋肉の材料となるタンパク質を積極的に摂取する

 

有酸素運動を行う

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも筋肉がつくため、基礎代謝量を上げる方法として有効です。また有酸素運動は、ある程度の負荷がある運動を一定時間継続する必要があり、心肺機能や持久力の向上による基礎代謝量のアップも期待できます。

ただし、基本的には基礎代謝量の向上よりも体脂肪燃焼に適した運動となるため、筋トレなどと平行して行うほうが効果的です。

【有酸素運動のポイント】

  • 軽く息が切れる程度の負荷をかける
  • 長時間・長期間継続する

 

ストレッチやヨガを行う

ストレッチやヨガを行うと、大きな筋肉が刺激されたり関節の可動域が広がったりして、血流が促進されます。血流がよくなれば体温が上がりやすくなり、老廃物の排出も促されることで代謝量の向上が期待できます。

また、ポーズによっては普段使わない筋肉への刺激も行うため、筋トレとしての効果も見込めるでしょう。

【ストレッチやヨガのポイント】

  • 腹式呼吸を意識する
  • じわじわと発汗する強度を選ぶ
  • 自己流は避ける
  • 簡単なものから徐々にレベルを上げていく

 

身体が温まるものを食べる・身体を温める

体温が1℃上昇すると、代謝量は約13%上昇すると言われています。身体を温める作用があるものを食べたり、外側から温めたりすることにも、基礎代謝量の向上が期待できるでしょう。

一過性のものではなく、毎日の食習慣・生活習慣として継続的にとり入れることが大切です。

【身体を温める食べもの・栄養素の例】

  • 生姜
  • 唐辛子
  • 根菜類
  • ナッツ類
  • タンパク質
  • ビタミンB群・C・E

【身体を外側から温める方法】

  • 湯船に浸かる
  • 腹巻を使う
  • 筋トレ・有酸素運動をする
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栄養バランスに留意した食事をとる

身体が代謝を行うためには、材料となる栄養素が不可欠です。栄養バランスが崩れると体内でうまくエネルギーへの変換が行われなくなり、また腸内環境も悪化しやすくなることで、基礎代謝量低下を招きます。

栄養バランスを考える際には、厚生労働省の「食事バランスガイド」などを参考にするとよいでしょう。

【栄養バランスに留意した食事のポイント】

  • 主食・主菜・副菜をとる
  • 毎日果物・乳製品をとる
  • 1食の中で食材・調理法は重ならないようにする
  • タンパク質・食物繊維・発酵食品を積極的にとる

 

水分をしっかりとる・起床時に「白湯」を飲む

水分補給を欠かさないことで、血行促進による基礎代謝量のアップが期待できます。

水分をとる際には冷たい水よりも、内側から身体を温められる白湯が効果的です。特に胃腸が冷えている起床時に白湯を飲むことで、内臓を刺激して消化を助けたり、交感神経の切り替えを助けたりする効果も期待できます。

【水分・白湯をとる際のポイント】

  • 1日約1.5L~2Lを目安にとる
  • 一度にがぶ飲みせず、一口ずつゆっくりと飲む
  • 白湯は水道水を約10~15分沸騰させ続けてから自然に冷ます
  • 白湯の温度は50℃前後を目安にする

 

まとめ

代謝とは、飲食などでとり込まれた物質が、体内で分解・吸収・合成される変化の総称です。一般的に代謝と言えば、活動代謝・食事誘発性熱産生・基礎代謝を指します。

中でも基礎代謝量の向上は、ダイエット効果や免疫力アップなど、健康への高い効果が期待できるため、おすすめです。ただし、あくまでも一般的な体質・状況・条件下におけるケアであり、効果にすぎません。もし、体調などに明らかな不調・不安があるのであれば、速やかに医師の指示を仰ぎましょう。