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コラム-よくあるお悩みと一般的な対処法-
COLUMN
Vol.3

偏頭痛とは?原因や症状から対処法・治療方法まで解説

定期的に起きる頭痛はつらく、日常生活に支障をきたすケースもあります。頭痛が繰り返し起こることから、「自分は偏頭痛なのではないか」と心配になる人も多くいるでしょう。慢性的な頭痛や偏頭痛は放置するとさらに症状がひどくなる可能性もあるため、早期発見・早期治療がおすすめです。

そこで今回は、偏頭痛の概要や原因・症状・対処法といった基本的な情報から、早期発見のポイント・偏頭痛に悩む人が意識するべきポイント、さらに病院での主な治療方法まで詳しく解説します。定期的に繰り返される重い頭痛に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

 

偏頭痛とは?

偏頭痛(へんずつう)とは、ズキズキと脈が打ったように拍動性の頭痛が繰り返し起こる頭痛の一種です。頭の片側のみが痛むというケースが多いことから「片頭痛」としても表記されますが、片側のみならず両側・全体的に頭痛がするというケースも決して少なくありません。

偏頭痛は、疑いがあると診断された例を含めると年間有病率が8%と推定される、比較的患者数の多い疾患であり、特に10代後半~50歳の女性に多いとされています。

また、偏頭痛には前兆の有無によって2つのタイプに分けられます。前兆があるタイプでは、強い頭痛が起こる10~30分前にキラキラまたはギザギザした光の波が見える「閃輝暗点」を伴うことが特徴です。いずれにしても、吐き気を伴うほどの強い頭痛や、頭を動かすと痛みがより悪化することが共通しています。

出典:国立長寿医療研究センター「頭痛の原因は?」

出典:厚生労働省eJIM「頭痛」

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

三石流・健康常識クイズ

 

偏頭痛の原因・症状

偏頭痛の主な症状は、下記の通りです。

  • 拍動性の頭痛(ズキズキと脈打つ)がする
  • 1か月に一度、または1週間に一度などの頻度で繰り返し起こる
  • 一度頭痛がすると、数時間から3日程度持続する
  • 頭痛の前に、決まって視界がぼやけたり、光の波があらわれたり(閃輝暗点)する
  • 頭痛が起きてから頭部を動かすと、痛みがより増す

また、偏頭痛を患う患者数は多いにもかかわらず、その原因は未だに詳しく解明されていません。しかし、現段階では「脳の血管が何らかの原因で急激に収縮し、これによって周りの神経が刺激・拡張することで頭痛が起こる」と言われています。仮説としては、主にストレスや生活習慣が原因で、三叉神経から神経伝達物質が放出され痛みが起こるという「三叉神経血管説」が有力です。

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

 

偏頭痛への対処法

偏頭痛は、定期的に発生する疾患ではあるものの、決まりきった日・時間に訪れるわけではありません。偏頭痛が起きたらすぐに病院(頭痛外来・神経内科・脳神経外科など)で診察を受けることが望ましいですが、仕事中や外出中に突然偏頭痛に襲われた場合は、病院に行くまでの間に何らかの対処を行いましょう。

最もおすすめの対処法が、「頭痛が発生したらすぐに静かな場所で休憩をする」です。背もたれに寄りかかる形で座って休憩するのもよいですが、横になれる場所があるならなるべく寝て休んだほうがよいでしょう。悪化しそうなときは、冷却シートや冷えたタオルをあてると痛みが和らぐ可能性があります。

また、なるべく痛みを早めに抑えたいという場合は、頭痛の初期段階で薬局・ドラッグストアなどに販売されている頭痛薬(市販薬)を使用することがおすすめです。

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

出典:茨城産業保健総合支援センター(労働者健康安全機構)「2021年7月号『頭痛とつきあう』」

 

偏頭痛を早期発見するポイント

繰り返し起こる頭痛に悩まされている人でも、自分がいったいどのタイプの頭痛をもっているのか分からない人は意外と多くいます。偏頭痛は放置すると余計に悪化するおそれがあるため、早期発見するためには「偏頭痛による頭痛かどうか」をまず疑いましょう。

前述の通り、偏頭痛の大きな特徴は「拍動性の頭痛」「定期的な発生」です。ズキズキと脈打つような頭痛が定期的に発生する際は偏頭痛の可能性が高いため、なるべく早めに医師に診てもらうことをおすすめします。加えて、閃輝暗点も伴う場合は偏頭痛の可能性が非常に高いと言えるでしょう。

また、偏頭痛を疑っていたものの、病院で受診してもらうと群発頭痛やさらに重い病気だったというケースは少なからずあります。群発頭痛発作時は、左右いずれか一方のこめかみや目の周囲に重度の痛みが生じます。「目をえぐられるような痛みを感じる」という場合は、偏頭痛ではなく群発頭痛の可能性が高いと言えるでしょう。

一方で、「これまで経験したことがないような強い痛みを感じる」「頭痛が日に日にひどくなり、吐き気・発作・手足の力が抜けるといった症状も伴う」という場合は、くも膜下出血や脳腫瘍など命にかかわる病気による症候性頭痛の可能性もあるため、すぐに病院へ行くことをおすすめします。

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

出典:科学技術振興機構「8.片頭痛と緊張型頭痛」

三石流・健康常識クイズ

 

偏頭痛に悩む人が意識するべきポイント

なかなか症状が改善しない偏頭痛に悩む人は、日々の生活習慣を見直すなどして、自身でできる対策を講じることが大切です。日々の生活の中で意識するべきポイントを、下記に紹介します。

●疲労やストレスをなるべく溜めないようにする

偏頭痛は、疲労やストレスが引き金となるとされています。身体的・精神的疲労から解放された直後は、それまで過度の緊張状態により収縮していた血管が急激に拡張するためです。

偏頭痛はこの急激な血管の拡張が具体的要因とされているため、普段から疲労やストレスをなるべく溜めないよう心掛けることが大切です。

●食生活を見直す

偏頭痛は、空腹時に起こりやすいとされています。1日3食をしっかりとり、なるべく空腹状態をつくらないようにしましょう。また、偏頭痛はチョコレートやコーヒー、カフェイン、赤ワインなどの飲食物で誘発するとされているため、これらの飲食物も避けておくことがおすすめです。

●睡眠の質を高める

睡眠不足や睡眠のとり過ぎは偏頭痛を引き起こすとされていますが、最も重要なのは睡眠時間ではなく睡眠の質です。規則正しい生活はもちろん、自分に合った寝具を選んだり、入浴でリラックスしたりするなど、睡眠の質を高めるための方法を幅広く実践しましょう。

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

 

病院での偏頭痛の主な治療方法

病院では、偏頭痛の症状を和らげるためのさまざまな治療を行っています。主な治療方法は、薬物治療です。処方される内服薬は、頭痛が起きても悪化しないようにするための予防療法なのか、または頭痛が起きた際になるべく早く症状を鎮めるための急性期治療なのかによって異なります。日常的に重い頭痛が発生し生活に支障をきたしている場合は、急性期治療から始めるケースも多いです。予防治療は鎮痛剤ではない薬剤を使用することが一般的です。

比較的軽度の頭痛が起きた際は、一般的には「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」や「アセトアミノフェン」などの内服薬を服用します。一方で急性期治療では、「トリプタン製剤」など偏頭痛緩和に特化した鎮痛剤・処方薬を用いての治療を受けることとなります。

しかし、急性期治療で用いられる処方薬を1か月に10回以上などのペースで服用すると、かえって偏頭痛が悪化したり慢性化したりする可能性があります。偏頭痛が起きたときはもちろん、病院から処方された薬の効き目が悪くなったときもすぐに病院を受診し、医師の診断を受けるべきと言えるでしょう。

出典:日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」

出典:恩賜財団済生会「片頭痛」

三石流・健康常識クイズ

 

まとめ

偏頭痛とは、ズキズキと脈が打ったように拍動性の頭痛が繰り返し起こる疾患のことで、10代後半~50歳の女性に多いとされています。前兆の有無によって2つのタイプに分けられ、前兆があるタイプでは閃輝暗点を伴うことも特徴です。「日常生活に支障をきたすほど重い頭痛が定期的に起こり、一度起こると数時間~数日治らない」という場合は偏頭痛の可能性が高いため、すぐに受診しましょう。

偏頭痛の原因は詳しく解明されていませんが、ストレスや生活習慣が主な原因とされています。ストレスをなるべく溜めないようにすること・食事や睡眠の質を高めることを心がけ、万が一症状が起こり始めたらすぐに休憩するなど、何らかの対処を講じましょう。

なお、ここまで紹介した内容は医療機関などからあくまで一般的に言われている内容です。日々の頭痛に悩まされている・不安を感じている人は、セルフチェックで疾患を判断せず、必ず医師に相談して適切な指導を受けてください。