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コラム-よくあるお悩みと一般的な対処法-
COLUMN
Vol.15

現代人は眠りが浅い?原因と改善のポイント4つ

睡眠には、心身の疲れを取るという重要な役割があります。しかし、夜間にぐっすり眠れないことから、「疲労感が抜けない」「日中に集中力が持続しない」などの悩みを抱えている人も少なくありません。

睡眠の質を高めることは疲れを取るだけでなく、生き生きとした毎日を過ごすためにも大切です。眠りが浅くて悩んでいる人は、眠りが浅い原因を理解した上で、改善のために生活習慣を見直してみましょう。

当記事では、眠りのメカニズムと眠りが浅い原因について解説します。眠りの浅さを改善するポイントもご紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

現代人は眠りが浅い?

現代人は、昔の人々に比べると眠りが浅いと言われることがあります。眠りが浅いことで、「日中に眠気を感じる」「夜間の睡眠中に目が覚める」など、睡眠の質に満足できていない人も多く見られます。

日中に眠気を感じる主な原因は、睡眠不足や眠りが浅いためと言われています。下記は、年代別の1日の平均睡眠時間です。

20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上
5時間未満5.4%9.6%11.2%12.3%6.7%7.9%
5時間以上6時間未満31.7%32.6%36.5%39.0%29.8%21.9%
6時間以上7時間未満39.6%37.0%35.8%32.4%38.6%30.3%
7時間以上8時間未満16.0%15.8%14.4%12.8%19.0%24.2%
8時間以上9時間未満5.6%4.7%1.8%2.6%5.3%10.5%
9時間以上1.8%0.4%0.3%0.9%0.6%5.2%

出典:厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査報告「第79表 1日の平均睡眠時間-1日の平均睡眠時間,年齢階級別,人数,割合-総数・男性・女性,20歳以上」

ほとんどの年代で、平均睡眠時間は5~7時間未満となっています。ただし、最適な睡眠時間は人によってさまざまです。睡眠時間が短い場合でも、質の良い睡眠が取れていれば問題はないとされています。

睡眠の質を高めて日中の眠気を改善するためにも、まずは眠りのメカニズムと眠りが浅くなる原因について理解しておきましょう。

 

眠りのメカニズムとは?

眠りには、「睡眠欲求」と「覚醒力」の2つが関係しています。

睡眠欲求は、覚醒している間に疲労が蓄積することで高まっていきます。覚醒時間が長くなるほど、睡眠欲求は強くなる点が特徴です。眠りに入ると睡眠欲求は減少していき、その人にとって十分な時間眠ることで、睡眠欲求は消失して覚醒します。

一方で覚醒力は、体内時計によって決まった時間になると増大します。覚醒力が高まることで、睡眠欲求に打ち勝ち、自然に目覚めることができます。通常、その人が起きる時刻の数時間前に、覚醒力が最も強くなる点が特徴です。

また、メラトニンの分泌が増える夜間は、深部体温が低下して眠気を感じやすくなります。日中はメラトニンの分泌が止まるため、眠気を感じにくくなる仕組みです。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「眠りのメカニズム」

質の良い睡眠には、睡眠欲求と覚醒力の正常な働きと、メラトニンの分泌が欠かせません。

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眠りが浅い原因は?

眠りが浅くなる主な原因は、下記の通りです。

・メンタル面に不調をきたしている

仕事や人間関係などのストレスは、自律神経の乱れにつながります。ストレスや不安により自律神経が乱れると、交感神経が優位になり、眠りが浅くなります。

・生活習慣が乱れている

生活習慣の乱れも、眠りが浅くなる原因の1つです。生活リズムが不規則な人や就寝前にパソコン・スマホを操作する習慣がある人は、メラトニンの分泌が減ることにつながるため、眠りが浅くなりやすいと言えます。

・カフェインの摂取量が多い

コーヒーやエナジードリンクなど、カフェインが多い飲み物を摂取しすぎると、覚醒物質であるヒスタミンの分泌が増えます。眠りを妨げないためにも、カフェインの摂取量や飲むタイミングには注意が必要です。

・寝室環境が整っていない

睡眠には、寝室の温度・照明の明るさ・湿度・音なども大きく影響します。身体に合った寝具を使う、空調面に気を配るなど、眠りに付きやすい快適な環境を整えることも重要なポイントです。

眠りが浅い原因は、心身の状態や環境など人によって異なります。睡眠の質を高めるためにも、自分の日常生活を振り返りながら、眠りを妨げる原因を見つけて対処しましょう

 

眠りの浅さを改善するために!意識したいポイント4つ

睡眠の質に関する悩みは、幅広い年代の人々が抱えています。下記は、厚生労働省が行った「睡眠の質に関する調査」で、下記の3つの項目に対し「1か月の間に週3回以上あった」と回答した人の割合です。

  • 日中、眠気を感じた … 36.9%
  • 夜間、睡眠途中に目が覚めて困った … 25.9%
  • 睡眠全体の質に満足できなかった … 22.0%

出典:厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査報告「第80表 睡眠の質の状況-睡眠の質の状況,年齢階級別,人数,割合-総数・男性・女性,20歳以上」

他にも、「寝付くのに時間がかかった」「睡眠時間が足りない」などの項目に当てはまった人も多くいます。

睡眠満足度を高めるには、原因に合った対処法を試すことがおすすめです。ここからは、眠りの浅さを改善するために意識すべき4つのポイントを解説します。

 

食事面

睡眠改善には、食事の内容や時間帯を意識することがポイントです。規則正しい食事は、体内時計を整えて睡眠の質を向上させます。

食事は1日3食を心がけましょう。脳にエネルギーをしっかり補給することで、覚醒時の活動がスムーズになります。夕食は、食後の消化活動が眠りの妨げとなりやすいため、就寝直前の食事は禁物です。

カフェインを含む飲食物は、就寝の5~6時間前から控えましょう。また、アルコールは明け方の眠りが浅くなりやすいため、寝酒の習慣がある人は量や摂取する時間帯を見直すことも大切です。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」/

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運動面

適度な運動は、ストレスを解消したり生活リズムを整えたりする効果が期待できます。ハードな運動をする必要はなく、ウォーキングや軽いランニングなど、負担が少ない運動でも十分効果はあります。運動を継続するほど快眠効果が高まりやすいため、無理なく続けられる運動を始めてみましょう。

寝付きを良くしたい人は、夕方から夜のタイミングで運動を行うことがおすすめです。ただし、就寝前に運動を行うと身体が興奮状態になり寝付きが悪くなるため、就寝の3時間前までに運動を済ませておくことがポイントです。

運動が難しい場合は、ストレッチやヨガなどで身体をほぐしましょう。睡眠前のストレッチは、副交感神経が活性化することで心身がリラックス状態になるため、睡眠の質の向上につながります。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」/

 

入浴面

快眠のためには、お風呂で身体を温めることも大切です。就寝前に一時的に体温を上げることで、身体は入眠しやすい状態になります。湯船につかることで、心身の疲れを癒したり、リラックスできたりすることもメリットの1つです。

快眠効果を得るには、夕方から夜の時間帯の入浴がおすすめです。スムーズな入眠のためにも、就寝の2~3時間前には入浴を済ませておきましょう。

入浴時間の目安は、下記の通りです。

  • ぬるめ(38度)の場合 … 25~30分程度
  • 熱め(42度)の場合 … 5分程度

肩までお湯につからない半身浴でも、十分効果が期待できます。半身浴の場合は、腹部までお湯につかるように調節し、40度のお湯で30分程度を目安に入浴しましょう。リラックスできるように、体調や好みに合わせて無理のない方法で入浴することがポイントです。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」/

 

寝具面

睡眠の質を高めるには、身体に合う快適な寝具を使うことも大切です。快眠のために、以下のポイントに注目して寝具を選びましょう。

・寝返りのしやすさ

無理なく寝返りできるように、枕は立ち姿勢に近い体勢を保てる高さと角度のものを選びましょう。「頸部の隙間」「敷布団と首の角度」の目安は、下記の通りです。

頸部の隙間 1~6cm
敷布団と首の角度 5度

高すぎる枕や低すぎる枕は、首や肩に負担がかかりやすく睡眠の妨げとなるため、自分に合った枕を使いましょう。

・吸湿性や放湿性の良さ

睡眠中は、大量の汗をかきます。寝苦しさを感じないために、吸湿性・放湿性に優れた掛布団を使いましょう。軽くてフィット感のある掛布団であれば、寝返りの妨げとなる心配もありません。

身体に合わない寝具を使っていると、寝返りの回数が多くなります。眠りが浅い人や寝返りの回数が多い人は、寝具の形や素材を見直してみましょう。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠のためのテクニック-よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」

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まとめ

眠りは、睡眠欲求と覚醒力がバランス良く働くことで形作られます。「眠りが浅い」「睡眠の質が悪い」など睡眠に関する悩みは、メンタル面の不調や生活習慣の乱れなどが原因である可能性があります。

眠りの浅さを改善したい人は、食事・運動・入浴・寝具の4つを意識してみましょう。睡眠の質を高めることは、毎日を快活に過ごすことにもつながります。

今回紹介した内容は、あくまで一般的に言われている内容です。睡眠に関する悩みを抱えている場合は、医師や睡眠専門医の指示を仰ぎながら対処法を実践しましょう。