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コラム-よくあるお悩みと一般的な対処法-
COLUMN
Vol.9

尿酸値を下げるために意識したい食事と運動のポイント

尿酸とは、体内で生成される「プリン体」という物質が分解された際、最終的に肝臓で生成される代謝物のことです。代謝により産生される老廃物でもあり、溜まった尿酸は尿として排出されます。しかし、尿酸の産生が急激に増えたり排せつが減ったりすると血液中の尿酸量が増加し、結果として尿酸値上昇が起きてしまいます。

実際に、健康診断などで尿酸値が高いと診断された人もいるでしょう。一度尿酸値が高まったら、放置しても自然に改善されることはありません。むしろ、関節に激しい痛みを感じたり通風になったりするおそれがあるため、食事や運動をして尿酸値を下げる必要があります。

そこで今回は、尿酸値を下げるためにおさえておくべき食事・運動のポイントを紹介します。加えて、尿酸値が高い場合のリスクや基本の食事・治療法も説明しているため、尿酸値が気になる人はぜひ参考にしてください。

 

【尿酸値を下げたい人向け】食事で注意したいポイント

尿酸値とは、肝臓で生成される代謝物の「尿酸」を、数字として明確に表したデータのことです。血液検査で測定できる項目であり、「mg/dL(ミリグラムパーデシリットル)」という単位で示されます。

尿酸値の正常値・基準値は、男女ともに7.0mg/dLまでとなっており、これを大幅に超えると「高尿酸血症」と診断されます。なお、異常に低いケースは「低尿酸血症」と診断されることが通常です。

尿酸値が一時的にやや高くなっているというケースもありますが、慢性的に尿酸値が高まった状態を放置しても改善はされません。むしろ悪化し、さらなる病気・疾患を引き起こすおそれがあるでしょう。

尿酸値を下げるためには、生活習慣を見直す必要があります。特に大切なのが、食習慣です。ここからは、尿酸値を下げるために食事で注意しておきたいポイントを紹介します。

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プリン体の摂取を適正値に抑える

尿酸は、プリン体という物質が分解された際に肝臓で生成される代謝物を指すことから、「プリン体の含まれた食事を避けるべき」と考える人も多くいます。しかし、プリン体はほぼすべての食品に含まれるだけでなく、多くは体内で生成されるものです。そのため、過剰摂取は当然よくありませんが、だからと言って極端にプリン体を避ける必要はありません。

また、プリン体は細胞の代謝や増殖にも利用される重要な物質となるため、適切量を摂取することがおすすめです。下記に、プリン体の含有量が多い食品を中心に紹介します。

食品 プリン体含量(mg/100g)
ニボシ(干物)746.1
カツオブシ(干物)493.3
干し椎茸379.5
レバー(鶏)312.2
大正エビ273.2
カツオ211.4
牡蠣184.5
ほうれん草(芽)171.9
明太子159.3
ササミ(鶏)153.9

出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体含有量」

干物系の食品は、特にプリン体の含有量が多いことが分かります。また、白米や卵、豆腐、豆乳などはプリン体が少ないため、その日の食事に合わせてバランスよく取り入れるようにしましょう。

 

飲酒量に注意する

プリン体と聞くと、多くの人がビールを思い浮かべるでしょう。そのイメージ通り、ビールには多くのプリン体が含まれていることが特徴です。

また、「ビール=プリン体が多い」というイメージから、お酒全体的にプリン体が含まれていると考える人も多くいますが、プリン体の含有量が少ないお酒も多々あります。

アルコール飲料 プリン体含量(mg/100g)
ビール3.3~6.9
発泡酒0.1~3.9
日本酒1.2
ブランデー0.4
ワイン0.4
ウイスキー0.1

出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「アルコール飲料中のプリン体含有量」

ビールや発泡酒は販売社によって、含有量が大きく異なることが特徴です。焼酎・ブランデー・ウイスキーなどの蒸留酒やワインは比較的プリン体が少なくなっています。また、干物をはじめとするおつまみも基本的にプリン体の含有量が多いため、日常的にお酒を飲む人はより注意が必要です。

 

アルカリ性の食品を積極的に摂取する

尿酸値を下げるためには、アルカリ性の食品を積極的に摂取することも大切です。尿酸値が高いと、尿が酸性になり尿酸が溶けにくくなるおそれがあります。アルカリ性の食品を積極的に摂取することで、尿がアルカリ化し、尿酸が尿に溶けやすくなるでしょう。

摂取しておきたい「尿をアルカリ化する食品」は、下記の通りです。

  • わかめ
  • 昆布
  • ひじき
  • 大豆
  • キャベツ
  • じゃがいも
  • バナナ など

 

乳製品を摂取する

アメリカで12年間にわたり行われた痛風発作発症リスク調査によると、「乳製品の摂取量が多ければ多いほど痛風発症リスクが低下する」という結果が出ていました。乳製品に含まれるカゼインというリンタンパクの一種が分解されて肝臓の働きをサポートするアラニンへと変わり、アラニンの尿酸排せつ促進作用により血中の尿酸値が下がったことが主な理由と考えられています。

尿酸値を下げる役割をもつ牛乳を毎日コップ一杯程度飲むことが最も気軽にできる工夫でしょう。牛乳が苦手な場合は、ヨーグルトでもおすすめです。また、乳製品は摂取後の血糖値が上昇しづらい食品であり、高血圧・糖尿病リスクを抑えられるとも言われています。

 

水分をしっかりとる

こまめな水分補給も、尿酸値を下げるために大切なセルフケアとなります。水分をしっかりとることで尿の量が増加し、結果として体内の尿酸の排せつがスムーズとなるためです。

尿酸値が高い人は、1日あたり2リットル程度の排尿が望ましいとされています。のどが乾いたタイミングで飲むだけでは推奨されている水分量を補給することができないため、起床時・食事中~食後・夜間・就寝前など、さまざまなタイミングでこまめに水を飲むようにしましょう。

 

【尿酸値を下げたい人向け】運動で注意したいポイント

尿酸値を下げたいのであれば、日々の生活で食事に気を付けるだけでなく、運動の習慣もつけることが大切です。高尿酸血症の運動療法としては「有酸素運動」が推奨されており、一方の無酸素運動はかえって尿酸値を上げる可能性があると言われています。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールと高尿酸血症・痛風」

有酸素運動には、ウォーキングや水泳、エクササイズなどが挙げられます。無理なく続けられる運動が最も重要なため、ウォーキングは特におすすめと言えるでしょう。無理のない程度に毎日散歩するだけでも、立派な有酸素運動となります。

なお、運動を始める前は必ず医師に相談をしましょう。運動中は汗をかくため、こまめに水分補給をすることもポイントです。

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尿酸値が高いと「高尿酸血症」の可能性も

前述の通り、尿酸値が異常に高ければ「高尿酸血症」と診断されます。しかし、時と場合によっては一時的に尿酸値が高い可能性もあるため、必ずしも高尿酸血症とみなされるわけではありません。

しかし、慢性的に尿酸値が異常に高い状態(高尿酸血症)が続き、かつそれを放置すると、尿酸結晶が体内に蓄積されて痛風発作・尿路結石症を引き起こすおそれがあります。

そのため、尿酸値が高いという結果が一度でも出た場合は、すぐに日常生活を見直して食事や運動に気を遣うことがおすすめです。尿酸値が改善されない場合は、医療機関で治療を受けることとなります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「高尿酸血症」

 

高尿酸血症の食事・治療の基本

高尿酸血症と診断されたら、治療に取り掛かる必要があります。高尿酸血症の治療は、基本的に「細胞由来の尿酸増加を防止する」「食事由来のプリン体を減らす」「尿酸の上手な排せつを促す」を目的とした食事療養です。なお、肥満のある人は肥満・メタボリックシンドローム予防にも気を遣った食事療養、飲酒習慣のある人は節酒・禁酒が必要となることも覚えておきましょう。

このように、高尿酸血症の食事・治療方法は、その人のほかの健康状態によっても大きく異なることが特徴です。自分に合った改善方法を行うためにも、まずは医師の指示を仰ぎましょう。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「高尿酸血症の食事」

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まとめ

尿酸とは、体内で生成される「プリン体」という物質が分解された際、最終的に肝臓で生成される代謝物のことで、数字として明確に表した数値を「尿酸値」と言います。尿酸値はmg/dL(ミリグラムパーデシリットル)という単位で示され、男女ともに7.0mg/dLまでが正常値です。この正常値を異常に超えると「高尿酸血症」と診断されます。

尿酸値と生活習慣は大きく関連しており、尿酸値上昇を対策するためには生活習慣改善が重要です。食事由来のプリン体の摂取を適正値に抑えたり、飲酒を控えたり、アルカリ性の食品・水分を積極的に摂取しましょう。

なお、ここまで紹介した内容はあくまで一般的に言われている情報であり、適切な療養・治療法は人により異なります。尿酸値の高さに不安を抱える人は、一度医師に相談し、適切な診断・指導を受けることをおすすめします。